ICカードで東急世田谷線を利用すると特典チケットが付与される「バス利用特典サービス(バス特)」が終了します。
「バス特」は、PASMO・Suicaのチャージ残高で世田谷線に乗車すると、利用金額に応じて自動的に「バスポイント」が貯まり、一定のポイントが貯まると「特典バスチケット」が付与されるサービスです。世田谷線でのバスポイントおよび特典バスチケットの付与は2021年4月30日(金)をもって終了となります。なお、PASMO・Suicaに記録された特典バスチケットについては、付与された日から10年間使用可能となります。
東急電鉄によると、ICカードの普及促進という当初の目的を達成したことから終了を決定したとしています。世田谷線を含む東急線の回数券(普通回数券、時差回数券、土・休日回数券)は引き続き発売されるので、代わりに利用するよう案内されています。
PASMO・Suicaを導入しているほとんどの路線バス事業者においても「バス特」サービスが実施されていました。しかし、東京23区北部と埼玉県南東部を営業エリアとする国際興業が2月28日(日)をもって「バス特」のポイント・チケット付与を終了し、京浜急行バス、西武バス、東武バス、神奈川中央交通、京王バスなどが相次いで追随しました。4月17日(土)現在ですでに41の事業者が「バス特」サービスを終了しています。今後もこの流れは続き、東急世田谷線のほか、京成バスや横浜市営バスなどでのサービスが終了することがアナウンスされています(詳細は下図を参照)。
3月31日(水)にサービスを終了した小田急バスによると、現在では車内の運賃支払いはICカードの利用率が9割を超えているとのことで、ICカードに移行してもらうための優遇施策という役目は確かに終えたように見えます。しかし、運賃箱にICカードをかざした際に聞こえる「チケットがつきました」の音声ガイダンスは利用者になじみ深く、おトク感のある実質的な割引サービスとして広く浸透していました。新型コロナウイルス感染症の影響で利用者が大幅に減少している中、各事業者ともサービスの聖域なき見直しを行わざるを得ない現状が背景にあると思われます。